「超入門資本論」を映画的に読み解く[書評]
「超入門資本論」を映画的に読み解く
超入門資本論
木暮太一著 ダイヤモンド社刊(2014年5月30日発売)
僕自身は経済を専攻したわけでもなく、その分野に詳しい訳でもないけれど、そんな人でも「読める」「わかる」「面白い」と感じたのがこの「超入門資本論」という1冊の本。
この本は初心者にもわかりやすく解説された本なので、これ以上解説不要の内容なのですが、さらにかいつまんで、さらにエンターテイメント?に紹介すると・・・
あらすじ
主人公はある日1冊の本を手にする。
それは150年以上も昔に書かれた、ドイツの思想家であり経済学者のカールマルクスの資本論だった。
資本論を読み解くうちに、そこに描かれた世界は現代社会を浮き彫りにした、あたかも予言書だった!
彼が描いた予言は次々と現実のものとなり、人々はその起こりえた事実の中で翻弄され、社会は崩壊への道を辿るかに見えた。
はたして、彼が予言した世界はこのまま崩壊してしまうのか?それとも・・・
解説
本誌は全7章から構成されて、現代の日本社会に置き換えて解説がされて、サラリーマンの切実な問題を直視しています。
- なぜペットボトルのジュースは150円なのか?
- 年収1000万円でも生活がカツカツになる本当の理由
- ぼくらは知らぬ間に給料以上に働かされている
- なぜパソコンの値段は下がり続けるのか?
- 合格しないと生き残れない「命がけのテスト」
- 勝者だけが知っている生き残るための絶対ルール
- コモディティ化せずにこの世を生き抜く3つの方法
1~5章で「資本論」が決して過去の思想ではなく、現代社会が直面する「なんでぼくらはこんなにがんばっているのに楽にならへんねん!」というからくりを、企業と雇用者(労働者)の関係から、残酷なくらい明確に描かれています。
救いがないといったら、東野圭吾の小説みたいに出てくる人たちはみんな不幸を背負ってますね。
「だったら、いくらがんばってもお先まっくらじゃん!」と思ってしまいますが、「パンドラの匣」の底にはちゃんと「希望」が残っています。
そして第6・7章では、いよいよ救世主の登場します。
その救世主こそ、だれあろうあなたです!この第6章はまるで救世主養成講座(笑)
あなたが、ケンシロウになるのか、はたまたアムロになるのかはわからないけれど、変革していく社会のなかで、適用した種が生き残るのは、すでにダーウィンも「進化論」の中で語っています。
まずあなたが生き延びましょう、そして家族を守って、その先には今とは違う世界が生まれてくるかもしれないです(期待)
まとめ
本誌の中で、著者の方も語っていますが、スポーツであれゲームであれルールを知らずにプレイはできません(よね)
はじめは社会経済の仕組みについて、実にわかりやすく解説されていて、「知」ることができます。
この仕組みを「知る」を理解すると、ほんとに「資本論」が予言書のように思えてくるのが不思議です。
さいごに生き残る術(すべ)として、ぼくらはどう変化していかないといけないのか?
たぶん、このブログを読むような人ならすでに変革の胎動は始まっているのかもしれません。
その答えがほの本の中にありました。
僕なんかは、こういった「小難しい」本って敬遠しがちだったけれど、この超入門のように解りやすく解説された本が出版されるというのは、実にありがたい事だと実感しました。
べたなオチをひとつ「君は生き残ることができるか?」
ひとつ心配なのは、著者の木暮さんが(お会いしたことはないですが)、これを見みたら怒りゃしないかと・・・。
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