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紙黒く染まれ!史上最強真っ黒インク、プラチナ万年筆の超黒カーボンインク[文具]

公開日: : 最終更新日:2023/04/14 万年筆, 万年筆インク

紙黒く染まれ!史上最強真っ黒インク、プラチナ万年筆の超黒カーボンインク[文具]

プラチナ万年筆超黒カーボンインク

2023年5月に発売予定のプラチナ万年筆「超黒カーボンインク」が東京は銀座伊東屋、関西ではナガサワ文具センターの三宮本店のDEN(万年筆売り場)と梅田茶屋町店で先行販売があり、そこで分けていただきました。

プラチナ万年筆超黒カーボンインク

ここまで黒い超黒いカーボンインク

とにかく黒い!


今回の「超黒カーボンインク」が1番にあげているセールスポイントはズバリ「黒い」です。
プラチナ万年筆史上もっとも黒いこのインクは、事実上一般的に流通している万年筆インクの中でも(おそらく)1番黒いインクになるはずです。
と、一介の文具ライターが言ってみても信憑性は?となるので、業界でもっとも信用度の高い専門誌「趣味の文具箱」からのデーターを一部お借りすると次のとおりです。
文房具店も店頭に並んでいるプラチナ万年筆の水性染料インクの黒を数値化した場合36.6、セーラー万年筆からすでに発売されている、やはり黒いをうたった「極黒」の場合33.8となり、このプラチナ万年筆「超黒カーボンインク」は18.5という破格の黒さを実現しています。
黒さを示す数値は明度を測定して得られる結果ですが、測定値=L値は0〜100の範囲内の数字で表されて0は黒、白は100となり、数値が小さくなるほど暗い色となります。

試筆紙「パンダ」を塗ってみよう。

左のパンダを超黒カーボンインクで塗ってみました


 先行店の店頭にある試筆コーナーでは、白のパンダが印刷された試筆紙が用意されていて、「超黒カーボンインク」で模様を塗り絵してみるとその明暗がくっきり体感できるようになっています。
機会があればぜひ試して見て欲しい。

じつは万年筆には不向きな顔料インク

水に溶けにくい顔料インク


 黒いことはいいことだ!ですが万年筆はその構造上、得手不得手が存在します。
この「超黒カーボンインク」は文字通りカーボン(顔料)を使っていて、水に溶けにくいという特性があります。

メリット

 水に溶けにくいということは、筆記した文字がぬれても滲みにくいとは、耐光性や長期保存に向くとか、裏抜けしにくい〔インクによってその特性にはばらつきがあります)といったメリットがあります。

デメリット

 メリットはひっくり返すとデメリットになります。
顔料は粒子が粗く、デリケートな万年筆の中に詰まる可能性があり、万年筆をしばらく放置していてインクが乾いて筆記ができなくなるという体験をした万年筆は少なくないはずです。
この乾燥(ドライアップ現象)が万年筆の中で発生した場合、水溶性染料インクなら水で洗浄することで解消することができますが、水に溶けない(溶けにくい)顔料インクの場合だと、想像したくないほどヤバイわけです。
どのくらいヤバイ?か(誤謬が陳腐で申し訳ない)家でガラスペンを使って試筆をしてみたところ、水溶性染料インクなら蛇口からの流水(水道水)できれいになるところ、「超黒カーボンインク」ではペン先にくっきり「これがカーボン」と思わしき黒い粒子が張り付いていました。

スリップシール機構だからできる

スリップシール機構を搭載したセンチュリー#3776


 顔料インクとドライアップ現象の恐ろしさを軽く解説しましたが、これを避ける方法は実に簡単です、ようは万年筆を放置しないことと頻繁に使ってあげることですね。(きっぱり)
といっても、人間は忘れる生き物で意識はしていても「つい」「うっかり」をやってしまいます。
ここからは私の想像ですが、プラチナ万年筆が「超黒カーボンインク」を開発・発売した背景には、各社から濃さを極めるインクが発売されていること、またそのニーズが市場にあることに加えて、プラチナ万年筆が他社に真似のできない凄い技術を持っているからでは?と見ています。
「スリップシール機構」と呼ばれる技術で、約1ヶ月間万年筆のキャップをしたまま放置していてもペン先が乾かないという夢のような機能です。
つまり、プラチナ万年筆の「スリップシール機構」を搭載した万年筆なら、あの恐ろしい「ドライアップ現象」から万年筆を守ってくれるというわけです。
過信は禁物ですが、筆者も「うっかり」で万年筆を放置した経験がありますが、プラチナ万年筆のセンチュリー#3776で筆記ができなかったことは一度もありません(きっぱり)

ドライアップしたらどうする?

付属の精製水で洗いましょう


 そうならないことが大切ですが「超黒カーボンインク」の初回限定パッケージには、洗浄用の「精製水」と洗浄用スポイト、コンバーターがセットになっています。
インクが出なくなった場合だけではなく、他のインクに変える時の洗浄のために必要なツールがひとまとめになっているので、安心です。

高級感あふれる外観


また、精製水だけなら薬局やAmazonでも購入することができるので、初回のセットまでは必要がないという方は、「超黒カーボンインク」の単体発売まで待つのもありかと。
しかし、万年筆を思わせる高級感あふれるパッケージは、家族に見られたら「また万年筆をかったの?」と白い目で見られる誤解を生みそうな外観です。

やっぱり不安、でも使いたい万年筆ホリックの方へ

まずはプレピーで試して見る?


 筆者はこのインクのために#3776センチュリーを発売前からしっかり洗浄して、準備万端整えて「超黒カーボンインク」のために万年筆を1本捧げるつもりでしたが、そうもういかないひとも多いでしょう。

そんな人には、まずプラチナ万年筆のプレピーかTWSBIのTWSBIEcoがおすすめです。
 プレピーはプラチナ万年筆が誇る低価格の万年筆ですが、このプレピーにもしっかり「スリップシール機構」が搭載されているので、自信を持って「うっかり」ができる万年筆です。
また、台湾の人気ブランドTWSBIは本体からペン先まで分解することが可能で、もしインクがつまったときでも安心?して洗浄できる機能をもっています。

1本400円(以下税別表記)の万年筆プレピーに、1本700円のコンバーターを使い、1本5000円の超黒カーボンインクを組み合わせて使うというのは、アンバランスがあふれていて文具好きには面白いと感じる組み合わせですが、「コストパフォーマンス」というものあらためて再考しなければと感じる組み合わせでもあります。

文具好きの考察

 プラチナ万年筆から、プラチナ史上最高に黒いインク「超黒カーボンインク」が発売されると聞いて、どんなインクが出るのだろうと期待と興奮を攪拌機で混ぜ合わせたような気持ちで待っていました。5月発売の予定ですが、運良くナガサワ文具センター梅田茶屋町店で手に入れることができて、早速自宅であれこれ試筆してみました。
「趣味の文具箱」の実験データが示すとおり、我が家にある黒インクのどれよりも黒く、濃淡がくっきり出たインクというのが印象です。
ただ、必然性は?と聞かれると、はたしてこのインクでなければならないシーンってあるのか?他のインクではだめなのか?と自問自答しています。(まだ答えは出ていませんが)
ただ、ひとつの指針として「今1番黒いインクが欲しい」となったとき、問答無用でこの「超黒カーボンインク」の一択になりますし、ひとから聞かれたらこれを薦めます。
使いどころが難しいインクかもしれませんが、万年筆とは相性が悪いとされるモレスキンノートブック(最近は改善された?)で筆記した際の滲みや裏抜けはありませんでした。
万年筆での筆記をこよなく愛する方であればぜひ一度試してほしいプラチナ万年筆の「超黒カーボンインク」です。

きょうのお買い物?

この記事を書いた時点では、まだ「超黒カーボンインク」は一般発売になっていませんの購入サイトは表記できません、ご了承くださいませ。

趣味の文具箱

プラチナ万年筆超黒カーボンインクの黒さを証明する詳細なデータが掲載された「趣味の文具箱」4月号

プラチナ万年筆1本400円の万年筆プレピー

台湾のオススメ万年筆TWSBI

Amazonでも購入できる精製水


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