「トヨタの自分で考える力」を読んだらレベルアップ!君も勇者になれる!?[書評]
トヨタの自分で考える力 原マサヒコ著
日本を代表する企業TOYOTAには、さまざまメディアでも紹介される数多い逸話や名言があります、本書では「トヨタの口ぐせ」と呼んでいます。
本屋さんの店頭にいけば、トヨタの名がついたビジネス書も数多くありますが、その中の最新刊「トヨタの自分で考える力」(2015年7月24日発売)は、TOYOTAスピリッツを小説仕立て描き、ビジネスパーソンなら一度は聞いたことがある(知らなくたって大丈夫)1+1=3!、5回のWHY、巧遅より拙速など「トヨタの口ぐせ」をいままでとはちょっと違う、読み進めていくうちに自然とその意味やスキルが身に付くというビジネス書に仕上がっています。
5つの思考(冒険)
- 改善思考
- 横展思考
- 現場思考
- 真因思考
- 行動思考
どのような職場でもいま求められるのは「自分自身で考える力」を持った社員です。
その「考える力」をスキルとして身につける為のノウハウが「トヨタの口ぐせ」には詰まっています。
本書の章立ては、TOYOTAでは現場のDNAと言えるこの5つの考え方で構成させています。
第1章 どうすれば成果はあがるのか?「改善思考」
自らがラクになるために作業・設備・工程を改善する。
無駄を減らし、付加価値を生み、自分の知恵を足す。
第2章 視点をずらして1+1=3にする「横展思考」
他者の知恵を共有して発想・改善を生み出す。
視野を広げ情報を共有、縦・横・斜の人間関係を構築する(仲間を集めパーティを編成する)
第3章 問題がわかれば9割は解決できる「現場思考」
問題はいつも現場・現実のなかにある(事件は現場で起きている!)
問題は「見る」「聞く」、「数字」は現実を物語る
第4章 本質をどう見抜くのか?「真因思考」
成功も失敗も必ずプロセスを明確にする。
「不運」で片付けない、他人事からの離脱、現実をありのままに(Let it go!レリゴよね)
第5章 スピードが解決を前進させる 「行動思考」
より速く問題に気がことが成果を大きく左右する
速く動けば問題が見える(私にも見えるぞ!)小さなヒントをあつめ、「どうすればできるか」を考える。
特徴
本書の最大の特徴は、読者は主人公翔太くんと一緒に、取締役(王様)からさまざまな「トヨタの口ぐせ」(ことばというアイテム)与えられながら、襲い来る困難(クエスト)を乗り越えて、一人前のビジネスマン(勇者?)になっていく!
読み進めながら、主人公と一緒に自分もレベルアップしている!まるでドラクエ?RPGゲーム感覚のビジネス小説です。
たとえば「三現主義」
- 現地(に行く)
- 現物(を見る)
- 現実(を知る)
主人公・翔太くんが取締役からもらった「三現主義」をヒントに、実際に足をつかって現地・現物・現実から問題を解決するプロセスを理解しやすく表現されています。
これを、活字解説だけで長々と羅列された本だと、はじめのひとつくらいわかったところで挫折しかねません(ボクだと)
これまで「ビジネス書」!ってことで警戒していた読者の敷居をさらに低く、またいままでのビジネス書読者もさらに理解しやすいなった内容といえます。
読み解くまとめ
この本ではキングコンピュータというIT(サーバーを販売している)係会社を舞台に、自動車メーカーとは違う業態でもその考え方が当てはまる事を物語っています。
本を読み慣れていない人や頭の固い人は、「うちの業種とは関係ないやんけ!」(なんで関西弁?)って鼻から取り合わない人たちもいるようですが、どんなケースでも自分の場合に置き換えて考えたり、取引先・クライアントのケースに置き換えて考えてみると、意外な発見が多いものです。
そう、それこそが「自分で考える力」!
また、いろんな自己啓発書やビジネス書を読む人でも、その本に書かれた事を実践する人は数パーセントというお話しもあります。
本書はビジネス書にありがちな言葉だけの解説本ではなく、小説というスタイルでだれでもが取っつきやすく感情移入しやすい内容になっています。
ここで紹介された思考をどれか一つでも、自分に置き換えて実践してみ欲しいと思います。
あぁ!10年前にこの本があれば、ボクももう少し・・・
いまからでも遅くない、さっそく実践していこう!
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