書き味爽快!スラスラ&くっきり!ローラーボールのススメ[文具]
ローラーボールのススメ!
ローラボール?日本ではあまり馴染みのない名前の筆記具ですが、文具業界の中ではグローバルスタンダードな存在です。
文具店の店頭で「ローラーペン」とか「ローラーボール」というカテゴリ表示をしているケースはまれなので、以外に「ローラーボール」と気付かずに使っている人がいるかもしれません。
実はボクもそのひとりで、サラリーマン時代にスラスラ書けるボールペンはないかな?と、見つけて使っていたのがこの「ローラーボール」だったりしました。
見た目は、普通のボールペンと変わりがない、きょうはそんな「ローラーボール」のおはなしです。
筆記具の種類
筆記具の国際的ブランド「パーカー」が次世代筆記具として、2011年11月に発売したインジェニュイティをメーカーでは第5世代(5th)ペンとして発表しました。
このペンを第5世代だとすると、1〜4世代ってなんだろう?って疑問が湧いてきます。
発売当時インジェニュイティのパンフレットを見ると、筆記具の種類は下記の通りでした。
- 第1世代 万年筆 (つけペンなども含みます)
- 第2世代 ボールペン (油性ボールペン)
- 第3世代 ローラーボール (水性ボールペン)
- 第4世代 えんぴつ (シャープペンシルも含みます)
つまりパーカーが定義するところではローラーボールは第3世代の筆記具ということになります。
ボールポイント(ペン先)の構造はほぼ同じようですが、使用するインクで世代が異なるというのは、インクの質が筆記具にとって重要なポイントだと言うことがうかがえます。
ローラーボールって?
ローラーボールもしくはローラーボールペン(Rollerball)は、各メーカーによって若干の定義が異なるみたいですが、概ね次のとおりです。
- ボールペンとして水性インクをつかったペン。
- 油性ボールペンよりより少ない筆圧で筆記が可能。
- 万年筆よりインク詰まりなどのトラブルが少ない。
- 水性インクのためインクのムラが少なく文字がくっきり。
ローラーボールの新しい定義
ローラーボール(ローラーペン)は水性インクを使用していると書きましたが、近年ではゲルインクと呼ばれる中性インクの登場で、油性インクよりくっきりとした文字が書けて、さらに滲みにくいという特徴を持つ、中性インクを使用した筆記具も「ローラーボール」と呼ぶケースもあります。
ここでボクが定義付けするわけにはいけませんが、油性インクのボールペンよりも、インク質がなめらからで、水性もしくは中性インクで、より滑らかにサラサラ&スラスラ書くことができる筆記具といったところでしょうか?
各社のローラーボール
三菱 エクシード1930
三菱は日本を代表する筆記具のメーカー、おそらく初めてのローラーボール(水性インキ)はこれ1本目。
残念ながら今では廃盤になってしまったエクシード1930ですが、交換用リフィルはOHTOのG-310NPと互換性があるので、いまでも現役で活躍しています。
三菱製の水性インクボールペンで、リフィル対応型は現在発売されておらず、ローラーボールの人気が無いことの現れかもしれず、ちょっと寂しいところ。
OTHO Tasche
OHTO Tasche(タッシェ)
キャップを外してつなぎ替えると、全長が伸びるユニークな構造のローラーボール。
これもかなり古い製品で、OHTOの公式サイトで確認したら、Tacsheシリーズは現在万年筆のみで、ローラボールは見当たりませんでした。
ただ、水性ボールのリフィルはまだまだ健在でC-307(0.7mm)は手に入れることが可能、このローラーボールも現役選手といえます。
TOMBOW ZOOM
TOMBOW ZOOM505シリーズ
1986年デビュー以来変わらぬデザインで親しまれているZOOM505は、同じデザインで油性ボールペン・シャープペンシル・水性インクがあり、どれも現役バリバリのベテラン選手です。
極太の太軸のかきごこちは、江夏豊がマウンドからズバッと投げ込む直球のような豪快な印象を与えてくれるダイナミックな存在です。
写真の赤モデルはTOMBOW100周年記念に新しく加わった新色で、ビビッドな本体カラーは訳もなく3倍強いような錯覚を覚えます。
MOLESKINE ローラーペン
MOLESKINE classicローラーペン
伝説のノートブックMOLESKINEブランドからローラーペンが登場。
MOLESKINEノートブックにジャストフィットな書き心地のローラーペンです。
2016年からはノートブックに登場した新しいカラーバリーションに合わせて、ローラーペン+シリーズでよりPOPなカラーも登場、男性だけでなく女性からも支持も集めそうなラインナップが登場します。
*MOLESKINEではローラーペンと呼んでいます。
MOLESKINE公式サイト
LAMY2000
LAMY2000シリーズローラボール
21世紀(2000年)を迎えても色あせないデザインを!にコンセプトで生まれたLAMY2000シリーズ、個性的でかつおちついたデザインはドイツの名門LMAYを象徴するモデル。
LAMY2000シリーズでは1番新しいモデルがローラーボール、キャップ式で同じLAMY2000の万年筆と外観が同じで、一緒に持ち歩くと「アレ」どっちだっけ?と迷うケースもしばしば。
使う時はジャケットの内ポケットにいれて、使うときにさっと取り出してさっさと書くスタイルが、格好良く見えるモデル。
モンブラン Mシリーズローラーペン
世界的なデザイナー、マークニューソンが手がけた見たことがないモンブランの新しいスタイル。
見た目よりしっかりしたボディはクリップしやすく、デザインだけでない書きやすさも魅力の1本。
詳細は過去記事「仕事で使うモンブランローラーペンは相手への気づかい」も参考にしてください。
J.HERBIN
J.HERBIN(えるばん)1640年のパリで生まれた老舗のブランド、フランス人にとって万年筆のインクと言えば必ずJ.HERBINといわれる国民から長きにわたって愛され続けています。
このちょっと変わり種のローラーペンは、専用インクリフィルを使うのではなく、一般に市販されている万年筆のインクカートリッジを使うのが大きな特徴です。
「インクと言えばJ.HERBIN」と言わしめてたお国柄が伝わってくる1本です。
CROSSローラーボール
ローラーボール エッジ AT0555-2
1846年イギリスで装飾品業を創業し、アメリカへ渡って誕生したのが現在のCROSS。斬新で先進なメーカーで最近では映画「STARWARS」「Avengers」などとのコラボレーションした筆記具が、文具雑誌以外のメディアで紹介されいるのでご存じの人も多いはずです。
ローラーボールエッジはユニークで革新的な機構でスライド開閉式システムを採用して、筆記時には軸の中央を中心にペンの長さが伸びるようになっていました。
携帯時は手のひらにすっぽりおさまるコンパクトなサイズから筆記時はすっと伸びて、書きやすいサイズに変わります。
この一連の動作が片手で操作できるのがとても便利です。
ローラーボールの多くがキャップ式なのに対して、エッジはスライド開閉式を採用しているところが面白いモデルです。
まとめ
ローラーボールは油性ボールペンとおおきく違う点は、やはりインクフローの良さにあると言えます。
筆圧をかけることなく、スムーズにインクがペン先から流れ出る感覚は万年筆の心地よさに通じるものを感じます。
先日、ある文具雑誌の編集の方とお話しをしたときに、「ローラーボールは万年筆のような文字に個性が出ないのが残念ね」と意見をいただきました。
つまり万年筆のように書き手の個性が文字に現れる、そんな書き心地はローラーボールでは楽しめない、という事でした。
ということは、ローラーボールは「書き手」を選ばない、万人向けの筆記用具って事ですよね。
まだ万年筆は敷居が高いと感じるひとや、なにより速記性に優れて文字がはっきり描ける筆記具は欲しいという方には、うってつけなのがこの「ローラーボール」だと言えます。
万年筆・ボールペン・シャープペンシル・えんぴつと筆記具にはそれぞれの個性・特徴があり、使うシチュエーションや紙などによってそのポテンシャルにも大きく影響します。
逆手にとってしまえば、その状況下において様々に筆記具を選ぶ楽しみもある訳です。
まだローラーボールを未体験の方へ、ぜひ一度この書き心地をお試しあれ!
初めての人にオススメしたいローラーボール
TOMBOW ZOOM505
安心の国産モデル、リフィルも比較的入手しやすくコストも低い優等生ローラーボールです
LAMY2000シリーズローラボール
デザインで楽しむ大人のローラーボール、LAMYユーザーにオススメのモデル
ローラーボール エッジ
海外ブランドでは価格が安く、ボールペン(油性インク)リフィルが使えるので2Wayでお得。
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