旅につれて行きたい万年筆とインク[旅文具]
旅の相棒として、連れて行きたい万年筆とインクについての考察
SNSの万年筆好きが集まるコミュニティで「旅につれて行きたい万年筆とインク」というテーマで、自慢の万年筆とアイデアの投稿が盛り上げっているのを見て、愛好家たちのこだわりを興味深く拝見していました。
課題になるのは「インクをどうやって持って行こうか?」
古くから万年筆を愛用しているユーザーからみると、「なにこだわっているのか?」ちょっとわからないという方や、そうだよね!なにかいい手はないかと考え込んでいる方、それぞれあると思います。
このギャップはなに?かというと、2007年にパイロットコーポレーションから発売された万年筆インク「色彩雫」はこれまで「黒」「青」「赤」「ブルーブラック」といった既存の定番にはない、「紺碧」「竹炭」「紅葉」と名付けられた色鮮やかな「カラーインク」が大ヒットして、色を楽しむユーザーが拡大し、「色彩雫」が狼煙となって各社から、また地方の文房具店は地元の土地をイメージした「ご当地」を発売、市場には2000銘柄ともいわれる「インク沼」ブームを起こしました。
これ以前から、当たり前に万年筆インクを使ってきたユーザー、あるいがこれほどのカラーバリエーションを必要としていないユーザーにとっては、あまり触手が動かないかもしれません。
かくゆう筆者も、万年筆インクは「ブルーブラック」派で、取材やノートのまとめはほぼこれ一択ですが、各地にある「ご当地インク」を販売する文具店の取材にお邪魔する事もあって、部屋には大小合わせて100本近い(越えているかも)万年筆インクがあり、機会をみつけては、消費を楽しみながら勤しんでいます。
旅に相応しい万年筆と万年筆インク
カートリッジ
もっともオーソドックスな方法は、インクカートリッジを持ち歩くこと。
国産3社(パイロットコーポレーション・プラチナ万年筆・セーラー万年筆)のインクカートリッジは、比較的都市部の文房具なら入手がし易く、価格もひと箱10本入りで数百円というメリットがあります。
旅立つ前、ペンケースの中にインクカートリッジを1本~2本入れておいても、邪魔にはならず、安心して持ち歩くことができます。
また、最近ではセーラー万年筆の「SHIKIIRO」シリーズは、インクボトルだけでなく3本入りの専用プラケースに入って販売されているので、これをそのまま外出用の携帯ケースとしても利用可能で、セーラー万年筆ユーザーにはオススメです。
インクボトル
市販の万年筆インクボトルは、机上用を前提で作られているため、持ち運ぶには少々大きくて重いという難点があります。
パイロットコーポレーション色彩雫ミニボトル
そんなユーザーの声に応えて、元祖万年筆カラーインクの「色彩雫」ミニボトル3色がセットになったモデルが登場、小売店によってはラインナップの中から自由に3色を選ぶ事ができます。
これなら、重さを気に病むことなく持ち運ぶ事ができそうです。
この他に、万年筆インク愛好家の間では模型用品の「タミヤガラス瓶」(製品名はスペアボトルミニ)にお気に入りインクを詰めて持ち運んだり、交換目的として使ったりと、本来とは異なる製品を見頃に使いこなしている姿を見るようになりました。これで10ccの容量があるため、十分なインク量を持ち運ぶことができます。
TWSBI・VAC20A INK BOTTLE
台湾の人気ブランドTWSBI(ツイスビー)から、ちょっとユニークなインクボトルが発売されています。
TWSBI万年筆にラインナップされているVACシリーズには専用のインクボトル(VAC20A INK BOTTLE)があり、蓋を外して万年筆をキャップの溝に合わせてねじ込むと、一体化することでインク補充の際に手を汚す心配が軽減される特性を備えています。
また、VACミニの場合はもうひとつのキャップ(二段式になっている)を外すとぴったりと合う構造になっていて、ひとつあればサイズのことなるTWSBI VACシリーズ両方に使える優れものです。
また、素材にアクリル樹脂を採用しているためガラス瓶に比べて軽量で20ccの容量があるため、まず外出先でインク切れをおこす心配は皆無といいきれる強者でもあります。
本体吸入式を採用しているTWSBIはカートリッジを使うことができないため、外出用でなくてもひとつ備えてくと便利ですし、他社の万年筆でもコンバーターを使う場合には使用できる軽いインクボトルが欲しい人にもオススメできます。
携帯するなら超コンパクトな金属製つけペンDRILLOG
岐阜県で、航空機などに使われる精密機器の製造を行う有限現会社シオンが、自社の技術を活かし2年の歳月をかけて完成した、まるで掘削ドリルを連想させる金属製のペン先をしたつけペン「DRILLOG(ドリログ)」は、ペン先をキャップで覆っているため安心して持ち運びができます。
万年筆とはちょっと仕様が異なりますが、小瓶に詰めたインクを持ち運ぶのなら、この組み合わせもまた、選択肢のひとつといえます。
近年、地方でがんばる文具店が地元のコンテンツを活かした「ご当地インク」を販売しています、旅の想い出に購入して、買ったその場で使う事ができるメリットも大いにあります。
文具愛好家の考察
2年に1度程度ですが、冬に青森県酸ヶ湯温泉に冬季合宿?(ワーケションというとかっこいいですね)のため1週間ほど宿に逗留する筆者ですが、以前はパイロットコーポレーションのカスタム74もしくはカスタム743にカートリッジインクを持参していました。
これが1番の組み合わせだという気持ちはいまも変わりませんが、TWSBIのVACと専用インクボトルを知ってからは、この組み合わせが凄く気に入っています。
2024年の冬にも酸ヶ湯温泉へ約1週間の冬季合…ワーケションを予定していて、その場で原稿を執筆する機会もあるため、予備のインクは外せません。
使い慣れたカスタム743の書き心地を優先するか?
万年筆とインクのコンビネーションに優れたTWSBI VACの機能性を優先するか?
どちらも書きやすく、長時間の筆記でも」疲れにくい万年筆なので、いまからどうしようかと、迷っているところです。
Amazon
色彩雫3色セット
TWSBI VACmini
TWSBI VAC
TWSBI VAC20Aインクボトル
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