第3回台南ペンショーで発見!万年筆とそれに纏わるすてきな文具[レポート]
台南ペンショーで発見!万年筆とそれに纏わるすてきな文具
2018年9月東京ではじめてインターナショナルペンショーが開催され入場者1600人を集め、第1回にして世界最高入場者を記録しました。
そんなペンショーは世界各国で開催されていて、この2018年10月に台湾・台南で第3回台南筆展(台南ペンショー)が世界各国から50の出展が集まり、台湾はもとより中国・シンガポール、そして日本からも万年筆ファンが集うイベントが開催されました。
ペンショーって?
日本でも有名な「モーターショー」「カメラショー」は各メーカーのプロモーション的な展示会になりますが、「ペンショー」は小売店・代理店・コレクターがブースに軒を並べ、CtoCもしくはBtoCのコンパクトな出展が中心です。
ペンショーは「万年筆」だけではなく、万年筆インクや紙類といった広い定義で文房具も取り扱われ、会場の雰囲気はとして、商談会のような催事ではなく、ユーザー同士のコミュニティーの場であり、小売店の場合は消費者(コレクター)とより深い情報交換ができる場という印象でした。
会場で気なった文具たち
■Pen lover boutique
Pen lover boutiqueのJuri Giambellさんのナミキのコレクションを見せていただきました。
namikiは日本の伝統文化「漆」を使った蒔絵万年筆の事で、1925年に並木製作所(現在のパイロットコーポレーション)が世界へ向けて発信したものが、高く評価されています。
1920年代のモノでこれほど状態の良い品はヨーロッパでも珍しく貴重な万年筆と自信を持って見せてくれました。
■BH
家族揃って出展したBHはひときわ長いブースで品揃えも豊富、ロシアのブランド「BENU」から「モンテグラッパ」「ヴィスコンティ」など新作モデルを並べています。
その中でもユニークなのは、19世紀に人気を博したアメリカのブランド「Esterbrook」を復刻販売、さらに興味をひかれたのは19世紀当時のニブを一緒に販売されています。
今の製品に合うように首軸とのセットはNTD2000-で販売、アンティークな書き心地を求める万年筆ファンにはたまらない1品。
■iPaper
iPaperは紙を中心にブースを展開。
メモパッドやノートブック、リポーターノートまでラインナップは豊富です。
ノートブックはこのとおり360°開く特殊な構造、強固な作りになっています。
また、1ページづつ切り取る事もできて、ノートブック&メモとしてマルチに使う事が出来るノートブックです。
iPaperの紙製品は台灣の文具店でも並んでいて、台灣を代表する文具ブランドです。
個人的に今回の台南ペンショーで1番気になったのが「國王的新衣」?
超防水と印刷された万年筆インク、これだけ見ると店舗オリジナルの万年筆インクかと一度は見送ったのが、お話しを伺うと西暦1300年に作られていた万年筆インクのレシピが見つかり、その製法で現代に蘇ったウォータープルーフインクと聞いて、俄然興味が沸いた1本。
日本での販売は未定という事だったので、この会場で1本入手しました。
*後日談として2018年11月23日〜25日兵庫県で開催されるKOBE Pen Show2018にてJetseeterのブースで販売される事が決まりました。
日本からの出展
■ナガサワ文具センター
神戸に本店があるナガサワ文具センターが初の台湾出展!
ナガサワ文具センターのお店では、週末になると台湾からオリジナル万年筆インク「KOBEINK物語」を買い求めるファンがやってくるほどの人気ブランドで、いまや台湾の文具ファンには実はお馴染みの万年筆インクとなっています。
今回の出展に際して「台南ペンショー記念万年筆」を会場で販売しようとしたところ、ネットでの事前受付開始から20分で完売する人気振り。
購入は台南筆展の記念万年筆とい位置づけで、購入条件は当日ペンショー会場にて現金支払いという事だったために、会場に行くことができきずに涙を呑んだファンも多かったようです。
■Yurie
オリジナルペンケースを販売する日本のブランド「Yurie」
和紙をベースにしペンを優しく保護するクッション(カメラバッグなどに使用される)でして1本から複数本納めることができるモデルを販売。
一般的なサイズからMont Blancマイスターシュテック149という太いタイプの万年筆にも対応し、独特のデザインで会場でも多くの人を集めていました。
「Yurie」は無店舗販売なために、購入は催事もしくは東京銀座のユーロボックスにて一部展示があります。
2018年11月23日〜25日に開催される「神戸ペンショー」の会場に出展されます。
webはこちら
台南筆展まとめ
台南筆展のオーガナイザーである顔子沛(Tzupei Yen)氏は私の取材に際し次のように話してくれました。
台南筆展は、2016年に第1回を開催したときは小さな教会ではじまりました、その時には約300人のファンを集めました。
第2回2017年には1000人を数え、今年2018年は1600人近い人たちがこのペンショーを楽しんでくれました。
台南筆展では、ビジネスや趣味の枠を越えたコミュニティーの場所として、来場者に心から楽しんでもらえることが主催として最高の喜びなんです。
すでに第4回の開催に向けて準備を始めます、目下の悩みはこの会場のキャパは60ブースが限界、台南市内にこれほど大きな会場もなく課題としてのしかかっています。
来場者に楽しんでもらえる事を最前提に、会期を1日から2日間(1日と半日)に拡大し、筆展だけなくこの台南の素敵な街も大いに味わってもらえるようなイベントにしたい、と来年第4回への抱負を最後に聞かせてくれました。台南は台北からHSR台湾高速鉄道で約2時間30分の距離、日本から台湾桃園空港まで約3時間、LCC路線もあり週末の休暇を利用して気軽に行ける国です。
ぜひ一度、文具ファン万年筆ファンの方に来て欲しいイベントであり、同時に台湾という国を身近に感じてそして楽しんで欲しいと思います。
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