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ナガサワ文具センターKobeINK物語特別限定色「菊正宗」「白鶴」インクに酔う!?[編集後記]

公開日: : KOBE INK 物語, 編集後記

Kobe INK物語から酒造メーカーのコーポレイトカラーを再現した万年筆インクが登場!

KIKUMSA Bugundy

HAKUTSURU Sake Blue


 神戸の街や文化に風景を万年筆インクで再現した、ご当地インクの先駆け「Kobe INK 物語シリーズ」は、地元神戸だけでなく日本の万年筆ファン、そして海外の万年筆愛好家からも支持を集める人気の万年筆インクです。
定番のKobe INK 物語84色(2023年8月現在)に加えて、特別限定色と呼ばれる美術館や学校、電鉄会社などとコラボレーションしたインクも多数販売されています。

定番のKobe INK 物語をはじめ、さまざまなラインナップが並ぶ中で、神戸の美術館や博物館グループとコラボレーションした「Museum Link」シリーズの新色が2023年7月25日に発売されました。
このコラムを執筆にあたり、現地に取材、また図書館で文献をさがしていると、面白いエピソードがいくつも見つかりました。
今回は、そんな灘のお酒と万年筆インクを巡るお話し(編集後記)です。

日本の清酒のルーツ「灘五郷」

灘五郷


 かつて(徳川幕府以前の日本)日本酒とは濁り酒(どぶろぐ)が当たり前だった頃、兵庫県西宮を中心にお酒の生産(酒造)が始まり、そこで生まれたのが濁りのない澄み切ったお酒「清酒」、現在でも「灘の生一本」として知られる灘の銘酒です。
この灘には、西郷・御影郷・魚津郷・西宮郷・今津郷と呼ばれる5つの酒所があり、時代によっては一部地域が異なりますが、おおむね神戸市灘区・東灘区から西宮に至る約12kmの海岸地域を「灘五郷」と呼ばれています。
なぜ、この灘五郷が一躍有名になり、当時の江戸で「灘の清酒」が主流になったのかは、神戸の地形や立地が大きく関わっていました。

そのひとつが神戸の街を一望できる六甲山、この六甲山から流れる水流は水車に利用され米つきの動力となり生産性をおおきく向上させました。
2023年この記事を書いているタイミングでマジックナンバーが点灯した阪神タイガースの応援歌でも知られる六甲山から吹き降りる風「六甲おろし」が、酒造りに適した良質の米を育む要因にもなりました。
なによりも、よい酒をつくるために欠かすことのできない、ミネラルやカリウムにリンを含んだ伏流水「宮水」がこの地にあったことに加えて、西宮が港としての役割をはたし、江戸へのスピーディな輸送を可能にした立地も見逃せません。
(宮水=西宮の水という意味だそうです)

灘五郷の酒造と記念館

 日本を代表する日本酒の聖地、灘五郷には現在も数多くの酒造メーカーが軒を並べます。
そんな中から、創業360年の歴史を誇る菊正宗酒造と白菊と呼ばれ、菊正宗酒造から独立した白鶴酒造のコーポレイトカラーを再現した万年筆インクが発売になりました。
どちらも、この御影地区にそれぞれ「菊正宗酒造記念館」「白鶴酒造資料館」として、酒造りの行程や創業当時につかわれていた道具などが展示されて、日本酒好きな人にはたまらない試飲ができるコーナーもおかれています。
〇菊正宗酒造記念館

菊正宗酒造記念館


住所:神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
料金:無料

〇白鶴酒造資料館

白鶴酒造資料館


住所:神戸市東灘区住吉南4-5-5
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
料金:無料

このふたつの記念館があることから、ナガサワ文具センターKobeINK物語のMuseum Linkシリーズのインクが生まれた訳です。

菊正宗酒造~KIKUMASA Burgundy~


 KIKUMASA Burgundyは、1659年(万治二年)創業当時の酒蔵を保存して現在は「菊正宗酒造記念館」の歴史を感じさせるエンジ色をコーポレイトカラーに採用、そのイメージを万年筆インクにしたのがこの「KIKUMASA Burgundy」。
関西の鉄道ファンには阪急電車を思わせる「マルーン」カラーを連想される人がいるかもしれませんが「マルーン」の配色には赤が使われています。
この「ガーバンディ」という色には、赤でなく高貴なものの象徴とされる紫は含まれていて、微妙な色の違いも楽しんでもらえるインクに仕上がっています。

白鶴酒造~HAKUTSURU Sake Blue~


 白鶴酒造といえば、白い鶴が青い空に向かって羽ばたくあのロゴを思い浮かべる方も多いはず。
そんな親しみのある(白だと筆記可能なインクになりにくいので)、清酒らしい瑞々しさを感じることできる、澄んだ青が楽しめるインクです。

文具好きの考察~編集後記~

 2022年にKOBE MUSEUM LINKが発売になってから、次もインクを楽しみにしていたところ、後日仕事での打合せの際に詳細は伏せられていましたが、日本酒に纏わるインクが…。
なんとなく青系は予想していたのですが、エンジ系(ガーバンディ)はまったくの想定外でした。
「HAKUTSURU Sake Blue」は、オーソドックスな色といえるので普段の筆記にガンガン使えますが、「KIKUMASA Burgundy」も奇をてらった色ではなく、乾くとしっかりと見える視認性の高いインクなので、この2色を対で使うとより印象的な筆記が楽しめます。

KOBE MUSEUM LINK

KOBE ミュージアムリンクは、神戸市内のミュージアムが主体となり連携することで相互の活性化につとめるとともに、収蔵資料や展覧会活動を通して、神戸市の観光振興や地域の活性化を促進することを目的としています。
発足は2019年4月、設立母体・目的とさまざまなミュージアムが連携する全国でも例を見ない団体です。


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