ナガサワ文具センターDENの新定番オリジナル万年筆「シルエット」[編集後記]
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最終更新日:2023/07/14
ナガサワ文具センター, 万年筆, 編集後記
ナガサワ文具センター新定番万年筆「シルエット」
現在、神戸に本店を構える創業141年を迎えるナガサワ文具センター様から仕事をいただき、コラムをはじめいろいろなお仕事をいただいております。
今回は、そんなお仕事で書かせていただいたコラムの編集後記です。
オリジナル万年筆シルエット
ナガサワ文具センター本店DEN(でん)のオリジナル万年筆「シルエット」は限定モデルではなく、ナガサワ文具センターオリジナルの定番万年筆として2023年7月から各店舗の店頭に並びました。
DENはナガサワ文具センター本店(三宮)の一角に位置する万年筆など高級筆記具の専門売り場です。
原稿執筆に際しての打合せの時に、はじめてシルエットを見せてもらった時、過去の限定万年筆とはちょっと違う趣を感じたことが第一印象でした。
その違和感は、これまで私が手掛けた原稿の限定モデルはパイロットコーポレーションからセーラー万年筆だったものが、今回はプラチナ万年筆の#3776センチュリーをベースにしたモデルだったからもしれません。
国産3社の万年筆はどれも優れた逸品と呼べるものばかりで、筆者もこの3社の万年筆のスタンダードモデルはすべて愛用していますが、プラチナ万年筆の#3776センチュリーにはひときわ愛着があり、執筆に当たっては個人的に、ちょっと嬉しく思った万年筆でした。
筆記体験
あまり筆記具に対してこだわりのないユーザーからみると、#3776センチュリーはどれも同じでしょう!?と思われるかも知れません。たしかにカラーバリエーションだけが異なるモデルであれば、そのとおりなんですが、この「シルエット」は本体にサンドブラストという加工がほどかれていて、指で触れたときの感触がオリジナルの#3776センチュリーは大きく異なります。
パソコンで例えると、キーボードの打鍵感がそれぞれ異なるような感覚といえばわかりやすいでしょうか?
このサンドブラスト加工をもっともシンプルな表現というと、表面のザラザラ感といっていいかもしれません、ただし荒削りな感覚ではなくきめの細かい加工で、指にフィットするというよりも、購入してすぐ指に馴染むような感じが、伝わってきます。
コラムでも書きましたが、現在このサンドブラスト加工ができる職人が少なく、近年この加工を施して発売されたモデルはなく、シルエットはその意味でも貴重な存在といえる1本に仕上がっています。
カメラマン泣かせなアイボリー
ひと目見てわかるように、シルエットはグレーとアイボリーのバイカラーを組み合わせたモデルです。
黒い万年筆のような、重たい雰囲気や高級筆記具さを押しつけない、フレンドリーな佇まいで使い手の男女を分けるようなこともなく、ジェンダーフリーな万年筆です。
今回の記事では、撮影用に事前にサンプルをお借りしたのですが、このアイボリーという色は撮影が難しく、チープ感が全面に出てしまうやっかいなカラーで、ラインティングには苦労した撮影になりました。
断っておきますが、私はカメラマンではなくライターというポジションでお仕事をさせていただいいるので、本職ではありませんので、粗が見えてもご了承ください。
(とはいえ、近年執筆に仕事には撮影込みと案件も多いので撮影の勉強もしております)
シルエットの由来
コラムの執筆に際して、カタログに記載されているスペックやサイトに掲載されている情報を書くコトが仕事ではなく、主題をテーマにライフスタイルをイメージさせることと思って執筆しています。
そのため、いろいろな角度から検証していくと面白いネタが転がり込んで来ることがあります。
今回、シルエットの言葉を検索してみると、実は人名から由来された事を知りました。
シルエット=はルイ15世がフランスを治めていた頃の財務大臣で、ルイ14世がはじめた対外戦争で経済が逼迫して、財政のやりくりをして人物です。
当時、貴族は自らの肖像画を描かせることがステータスだった時に、高価な絵の具(具材)を慎むようお触れを出して、輪郭を黒一色で埋める影絵のような絵を推奨したことで、この画法が「シルエット」と呼ばれるようになったという逸話が今に伝わっています。
フランスの王政は、次の代ルイ16世で終わりを告げる、フランス革命の時代に入っていきます。
この記事を執筆しながら、この後のフランスがどうなったのか?フランス革命ってなんだったのかが気になって、「物語フランス革命」足立正勝著 発行中央公論社、を読み始めました。
「マリー・アントワネット」「ギロチン」「ナポレオン」といった、ざっくりしたイメージしか持っていなかった私には、いい勉強になった1冊を紹介して、今回の編集後記のペンを置きます。
ナガサワ文具センターのオリジナル万年筆シルエットとフランスの財務大臣エティエンヌ・ド・シルエットがどう繋がるのか?それはナガサワ文具センターのサイトでお楽しみいただければ幸いです。
参考資料
「物語フランス革命」中央公論新書
ナガサワ文具センターコラム
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