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ナガサワ文具センターオリジナル万年筆六甲シチダンカ万年筆[編集後記]

六甲シチダンカ万年筆[編集後記]


2024年8月、ナガサワ文具センターの人気インク「KobeINK物語」シリーズの「六甲シチダンカ」をインスパイアしたオリジナル万年筆「六甲シチダンカ万年筆」(限定モデル)が発売になりました。

執筆秘話


原稿依頼をいただいたのは5月の末で、打合せのあと「シチダンカ」(あじさい)の開花時期を調べてみたら、6月上旬と、ほかの紫陽花に比べてひと足はやく花をつける品種だったようで、すぐさまスケジュールを調整して、「シチダンカ」など紫陽花の宝庫といえる兵庫市立森林植物園へ花を見に伺いました。

神戸市立森林植物園

神戸市立森林植物園は神戸市北区に位置して、公共交通機関では神戸電鉄の「北鈴蘭台」駅から、植物園行きの無料送迎バスが運行されています。

紫陽花のシーズンには、三宮駅から直通バス(有料)から運行されたり、北鈴蘭台駅からの無料送迎バスは増便されたりします。
私は、訪れたのは紫陽花のシーズンとしてはまだ始まったばかりの平日でしたが、駅を降りるとバスのりばにはたくさんの人が列を作っていました。
週末や祝日は、時間に余裕をもって行くのがベターかもしれません。

園内には、25種350品種もの紫陽花が約50000株ほど植えられて、ちょっと散歩というよりも森を散策するちょっとしたハイキングのような規模の大きな公園といった感じです。
植物園の入口に設置された地図や資料を手にすると、紫陽花の種類毎に花を見られるエリアが示されていて、私のように品種を絞って駆けつけたいユーザーには便利な資料もあります。
シチダンカと並んで、他の紫陽花よりも早く花をつける「ヒメアジサイ」も見頃をむかえていて、仕事でお邪魔したわりには、しっかり季節の紫陽花見物も楽しませてもらいました。
記事を書くに関しては、実際に「見て」「触れて」「感じる」事が必要で、インターネットで見た気になっているだけでは、表現できないモノも、こうして「シチダンカ」が咲いている環境までも見る事で、表現できる言葉があると思い、どんな記事でも取材は欠かさないことがライターとして最低限の「矜持」にしています。

幻の紫陽花と呼ばれたシチダンカ


さて、こちらは「六甲シチダンカ万年筆」の記事に書きましたが、1820年代(江戸時代の後期)の頃、日本にやってきたドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、この「シチダンカ」を標本として祖国に持ち帰り、有名な彼の著書「フローラ・ヤポニカ」に記載されました。
これは定説として伝えられていますが、実のところ真偽は定かでなく、別の品種だったのでは?という説もありますが、それ以降シチダンカは長く見つかることがなく「幻の紫陽花」と呼ばれてきました。
そんなシチダンカでしたが、1959年に六甲山小学校の職員だった荒木慶治さんによって、六甲山ケーブル駅の近くで見つけられたことから、実在した紫陽花として広く知られるようになりました。

六甲シチダンカ万年筆


 紫陽花の花を色で表現する際に難しいことは、同じ品種でも色が均一化していないのが紫陽花の特徴で、大きな要因はその土壌にあって、アルカリ性土壌では赤が強く花に現れ、酸性土壌では青い色が強くなります。
ナガサワ文具センターの「Kobe INK 物語」のインクとして作られた時に選ばれた色から、さらにその美しさを表現したものが今回の「六甲シチダンカ万年筆」になります。

文具愛好家の考察

「六甲シチダンカ万年筆」は、発売と同時に海外からの受注が多くて、好調な売れ行きです。
2024年9月5日現在、店舗によってはすでに完売したお店あるようで、かつて「幻の紫陽花」と呼ばれたシチダンカの万年筆は「幻のシチダンカ万年筆」と呼ばれそうです。
完売前に1本確保できた私は幸せなユーザーです。


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