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年賀状を万年筆で書いてみよう2024年版[文具]

公開日: : 万年筆

年賀状を万年筆で書いてみよう2024年版


12月末、年末年始はなにかと慌ただしい時期です。
仕事は年末年始の進行や、自宅では大掃除や帰省の準備などに追われて、街角のクリスマスソングがカウントダウンをせかすようにも聞こえます。

時代遅れの年賀状

そんな中でも、年始のご挨拶として「年賀状」をしたためる方もまだ多いかと思います。
近年、「年賀状仕舞い」などという言葉が聞かれ、書くことを辞めたひとたちも増えていると聞きます。
たしかに、電子メールやLINEなどのツールを使えば、カンタンに年始の挨拶を済ませることができるので、これは合理的かつ経済的といえますし、図案から宛名まで全部印刷という味気ない年賀状では、電子メールと変わりない気もします。
「年賀状仕舞い」について、否定も肯定もしません、ひとそれぞれなので、自分の意思でこう決めたなら、それが1番かと思います。

 とはいえ、それでも一定数の年賀状派の人たちはいるわけで、かく言う私もまだまだ年始の挨拶は年賀状を認める(したためる)部類の人間です。
いろんなメディアで手書きの良さを伝える記事を書いてきたこともあり、そんな人間が「年賀状辞めます」とは言いづらい側面もない訳でもないですが、それでもお世話になった方への挨拶は年賀状が1番優れた手段だと思っています。

年賀状のメリット

 年始の挨拶に優れた手段といったのは、ただ「明けましておめでとうございます」という挨拶だけでなく、普段あまり連絡をとったり会えなくなった友人や恩師に、なんでもない次期にいきなる「ご無沙汰しております、お元気ですか?」とハガキが届くのは嬉しい反面、あまり親しい訳ではない人間だと、選挙の依頼か?お金の相談か?みたいに、編に勘ぐってしまします。
その点、年賀状は(暑中見舞いも)自然に「近年ご無沙汰しておりますがおかわりありませんか?」と送ることができる機会でもあります。
2024年度の年賀状は1枚63年、つまりひとり当たり63円で全国どこへでも「挨拶」を届けてくる、ある意味格安のコミニケーションツールといえます。

手書の挨拶

 私は毎年150枚ほどの年賀状を送っています。
でもって、昨年すべての宛名をすべて手書きで送ったのですが、腕がちぎれるかと思うほどくたびれました。そのため、2024年度は文明の利器を使わせていただき、全部ではありませんが家庭用プリンターで宛名印刷を行いました。ホント、これは楽ちんでした。
ただし、文面はそれぞれ相手に対して手書きで挨拶文を書き込み、コピーペーストにならないよう心がけました。

年賀状で使って見たい文房具

万年筆

セーラー万年筆「ふでDEまんねん」

ふでDEまんねん


 ユニークなネーミングのこの万年筆、ペン先を良く見ると、普通の万年筆のペン先は筆記面に対してまっすぐ伸びていますが、この「ふでDEまんねん」(セーラー万年筆)は外側に(筆記面の反対側)反り返っているのが大きな特徴です。

特殊な形状のペン先の「ふでDEまんねん」


ただし、伊達でこんな形状をしているのではなく、万年筆を垂直に近づけて筆記すると細い文字が書けて、寝かせて(傾ける)書けば太い文字の筆記ができる特徴を備えています。

立てて書いて細字

寝かせて書けば太字

毛筆(筆)をのぞけば、だいたいの筆記具はの字幅は固定で、シャープペンシルやボールペンなら0.5mmとか0.9mmなどの表記、万年筆でもF(細字)M〔中字)B(太字)といったように分けられていますが、「ふでDEまんねん」は、この特殊なペン先の効果で、毛筆のような太い文字から細い文字までこれ1本で筆記(表現)することを可能にしています。
筆のような筆記体験ができる「ふでDEまんねん」は、宛名書きなどにはぴったりの筆記具といえます。

セーラー万年筆「竹塗り万年筆」

長刀研ぎと呼ばれる個性的なペン先を持つ万年筆も同様な筆記体験を可能にしています。
セーラー万年筆「竹塗り万年筆」も「筆でまんねん」と同様に、万年筆を垂直に立てて筆記すると細い文字が、寝かせて書けば太い文字の筆記が可能です。
これは、セーラー万年筆の長原宣義さんが退職される前に「勇退記念」として発売されたモデルで、現在はメーカーでも品切れで、ECサイトで見つかればラッキーかもしれません。
また、「長刀研ぎ」で検索するといろいろヒットするのでそちらも参照してもらえればと思います。

ハガキや手紙の宛場書きには、この2本が活躍してくれています。

宛名書きには黒がオススメ

 年賀状に限らず、宛名を書く時には黒いインクが良いと、学生時代に郵便局でアルバイトをしていたときに上司の方から言われました、法的な根拠やルールとして存在するのかは不明ですが、確かに作業で区分けをした際に黒い文字の方が視認しやすかったと記憶しています。
今では自動仕分けの機械がそれらの作業を一括してして行っているので、どんな色のインクでもいいのかもしれませんが、赤や緑の宛名は見た事がなかったので、ここはオーソドックスに「黒」をオススメしておきます。

ナガサワ文具センターKobeINK物語「墨香」

ナガサワ文具センターKobeINK物語「墨香」


 神戸に本店をかまえるナガサワ文具センターのオリジナル万年筆インク「墨香」は墨汁のような黒さと墨の香りが漂うインクで、万年筆で毛筆筆記の雰囲気を楽しめます。
ラメは入っていないので、万年筆での使用が可能、宛名書きにはこういったインクもあるということをちょっと添えておきます。

文具愛好家の考察

文字に自信がなくても万年筆なら3賄増しでいい文字に見えます

 家庭用プリンターで印刷した文字は誰が見ても読みやすい文字ですが、どの文字も整っていて感情をそこから読み取ることができません。
ところが「手書き文字」には、文字の大小(強調)で気持ちを表現することができます、また、筆圧がかかると紙の面に対して凹が刻み込まれて、感情を表現することもできます。
つまり、電子メールや家庭用プリンターで印刷した文字は2Dの情報ですが、手書き文字は3Dの情報を伝えることができます。
手書きで伝える事はたしかに面倒ですが、今年もささやかなメッセージを手書きで添えて新年の挨拶「年賀状」を送ります。

セーラー万年筆「ふでDEまんねん」

2000円程度とリーズナブルな価格な万年筆なので、筆ペンと思って1本買っておいても損のない万年筆です。


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