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無印良品万年筆の魅力再発見[文具]

公開日: : 万年筆, 無印良品

無印良品アルミ丸軸万年筆の魅力を再発見!


 株式会社良品計画(以下無印良品)は、1980年「わけあって、安い」をキャッチコピーに、従来の製品からちょっと外れてしまったような商品企画からスタート、以降「素材の選択」「工程の点検」「梱包の簡略化」という3つのコンセプトを軸に、実用優先・実質本位も商品作りを続けてきました。
デコレーションされる前のプロトモデルにも見える、簡素な装飾は多くの消費者から支持をあつめています。

そんな無印良品の文具シリーズのなかでも、長く定番として販売されている「アルミ丸軸万年筆」を紹介します。

万年筆という言葉のひびき

万年筆へのあこがれ


 万年筆という筆記具は、シャープペンシルやボールペンと比べると、高級感を纏うちょっと大人びな筆記具の印象を伴っています。
事実、国内3社と呼ばれる、パイロットコーポレーション、プラチナ万年筆、セーラー万年筆など、近年では低価格な万年筆、そうパイロットコーポレーションのKAKUNO(カクノ)に代表される1000円クラスの万年筆も発売されるよになりましたが、10年以上遡るとエントリーモデルとも言える万年筆はやはり10000円からといったイメージがあります。
さらに、近年金の価格が高騰して、一万円札1枚では替えない状況になっています。
万年筆という言葉の響きの中にある一種の憧れも、1本100円〜200円でボールペンが購入できる現在、筆記具に10000円はやはり乗り越えづらい高いハードルといえます。

無印良品アルミ丸軸万年筆

アルミ丸軸万年筆


 2013年にパイロットコーポレーションから「マイファースト万年筆」をコンセプトにしたKAKUNOという万年筆は、若い世代に1本1000円(税込で1050円)という手頃な価格と万年筆特有の「重厚感」をあえて除外した親しみやすさがうけて大ヒットしました。
欲も悪くも、可愛さとチープ感が同居した万年筆でした。

KAKUNO VS 無印良品万年筆


若い世代にとって可愛さ=正義ですが、ちょっと大人のユーザーからみると、物足りなさは否めません。
そんな方に、注目して欲しいのが無印良品の「アルミ丸軸万年筆」です。

筐体

ローレット加工


 軸は、アルミ製とあって超豪華さとまでは言えませんが、プラスティックのような安易なチープ感からほど遠く、しっかりした質感が伝わってきます。

さらに、指を添えるグリップ部分は滑り止め効果のためにローレット加工をほどこしていますが、これが「アルミ丸軸万年筆」を価格以上に高級感を醸しています。
デザインと機能の両方を併せ持った、万年筆として仕上がっています。

カートリッジ

カートリッジインク


 万年筆をハードルの高い筆記具にしている要因のひとつが、インクカートリッジです。
お祝いでいただいた万年筆を使い切れていない人の理由としてあげられるのが、「インクをどこで買ったらいいのかわからない」という点です。
国産3社でも、それぞれ規格(サイズ)が異なるうえに、海外のブランドとなると、もうお手上げで、大手メーカーのインク(カートリッジ)であれば、街の文具店でも扱っていたのですが、その文具店が閉店していまい、文具はコンビニエンスストアから100円均一ショップで購入するのが当たり前のような風潮になっています。
なので、コンビニエンスストアやダイソーで売っていないともう他を探すのが面倒になって、万年筆=面倒くさい筆記具=ハードルが高い、といったイメージがついてしまいます。
たしかに、街から文具屋さんが姿を消していく傾向にありますが、無印良品アルミ丸軸万年筆は無印良品のお店購入できます。

また、このカートリッジはヨーロッパ規格のミニを採用していて、ちょっとした文具店であれば容易に購入できる(けっこうメジャーな)規格です。
不安な時には、万年筆とカートリッジをお店に持っていけば、確実です。

予備のインクカートリッジ 


 アルミ丸軸万年筆は、本体の中にもう一本のインクカートリッジが収納できるスペースがあり、使用中のインクと一緒にスペアを持ち歩くことができます。
その点も、途中でインクがなくなった時には便利です。

字幅

字幅F(細字)での筆記見本


 私のまわりで万年筆を使う若い世代は、F(細字)を好む人が多い傾向を見受けます。
手帳やA5サイズのノートの筆記にはちょうどいいサイズなのかもしれませんが、「アルミ丸軸万年筆」はこのF(細字)を採用しています。
ある意味、ボールペン(0.5mm)に馴染んでいる人には丁度いい字幅といえます。

文具愛好家の考察

 無印良品「アルミ丸軸万年筆」は、店頭でも1590円(税込)で購入できる万年筆ということで、ペン先はいわゆる鉄ペンです。
金ペン先のようなしなりはありませんが、ボールペン筆記に馴染んでいるひとにはこのくらいの硬さが、入門用万年筆としては扱い易い気もします。
また、あえて鉄ペンの書き心地が好きという万年筆ユーザーもいるので、その点はお好みで。
私も、数年(もう5年以上は昔)に購入しましたが、最近また復活しました。
シンプルなデザインがしっくる年齢になったからなのかはわかりませんが、余計な装飾のないことが、執筆の際にノイズにならない点がいまの自分にあっているように感じます。

Amazonサイト

無印良品「アルミ丸軸万年筆」最近ではAmazonでも購入できるようです。
https://amzn.to/3Sma87I

ヨーロッパ規格カートリッジインク

国産ではOHTOやDesignphil、海外メーカーではシュナイダーやKawecoなどから互換性のあるインクカートリッジが発売されています。
https://amzn.to/3Sok7cw


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