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ナガサワ文具センターの人気万年筆インクがリニューアル![文具]

公開日: : 最終更新日:2024/08/19 KOBE INK 物語, ナガサワ文具センター, 万年筆インク

ナガサワ文具センター「KobeINK物語」


 日本の万年筆インクブームの引き金になったといっても過言ではない、ナガサワ文具センターのオリジナル万年筆インク「KobeINK物語」は2007年の発売以来、定番インク86色を数えて、1色の廃盤色がないというすべてのインクが人気色という恐るべき万年筆です。

万年筆インクブームの引き金にもなったKobeINK物語


 2007年という年は、文具業界にとっては忘れる事ができない年です。
この年に、パイロットコーポレーション(以下パイロット)が新しい万年筆インク「色彩雫-iroshizuku-」全12色を発売、「紺碧」「土筆」「紅葉」など日本語名がつけられたインク(パイロットではインキと表記)は、新鮮でいてどこか懐かしさを感じさせて、一大ブームを起こしました。
「KobeINK物語」もこの同じ2007年に発売されましたが、パイロットの「色彩雫-iroshizuku-」よりも数ヶ月早かったと、当時を記憶している文具店さんが話してくれました。
ともあれ、「色彩雫-iroshizuku-」は全国展開されていたので、一般的にはこちらの方がブームのはじまりと認識されているようです。
どちらが先であれ、2007年は現在の万年筆インクブーム元年といって間違いの無い1年となりました。
「色彩雫-iroshizuku-」は全12色が定番インクとして長く、ラインナップを続けてきましたが、途中廃盤と新規の交代がありました。
「KobeINK物語」は年に3本から多い年には5本以上がリリースされて、2024年6月には86色目が発売、年内にもまだ数色の発売が予定されています。

KobeINK物語リニューアル

パッケージ上部にインク名が表記されました


裏面にはインクの解説(エピソード)も表記


 2007年の発売から今年2024年で18年目を迎える「KobeINK物語」のパッケージがリニューアルされました。
大きな変更は、パッケージにインク名とインクエピソードが表記されて、旧モデルでは裏面に表記されていたインク名がパッケージの上から認識できるようになり、同梱包されていたインクの解説(エピソードシート)も裏側に表記されるようになりました。
このおかげで、これまではパッケージをみればわかる仕様になったのは、たくさんの「KobeINK物語」を所有するユーザーにとって、実に嬉しいリニューアルと言えます。

KobeINK物語特設展


 これを記念して、ナガサワ文具センター神戸本店では2024年8月6日から(期限未定)3階にて、「KobeINK物語特設展」を開催しています。
また、「インク沼の観察」のやまめさん(@8mame_st)が、ペンプロッターを使った「KobeINK物語」定番色86色に加えて、準定番色(特別色)36色、計122色のインク見本帳を作成し、この特別展の期間中展示されています。
普段はナガサワ文具センター各店の棚にぎっしり詰め込まれた状態で陳列されている「KobeINK物語」をじっくり見る事ができるうえ、全色の見本を見ることができる機会なので、ぜひ店頭で触れて欲しいと思います。

KobeINK物語誕生秘話


 KobeINK物語は2007年に誕生しましたが、この当時「ご当地インク」がどこからも発売されていなかった中で、どうしてナガサワ文具センターが神戸にちなんだインクを発売したのか?
以前、ナガサワ文具センター室長竹内直行さんにお話をお聞きしたところ、1995年に起きた阪神淡路大震災から約10年、神戸の人たちが復興のために尽力を尽くしてくれた人に御礼の手紙を書きたい、そんなときにふさわしい神戸らしい万年筆インクはありませんか?という問いと希望に応えて誕生したのが「KobeINK物語」でした。
震災で倒壊した家屋や店舗を片付けているときに見上げた、六甲山の緑に励まされた経験から第1弾の「六甲グリーン」が生まれました。
日本全国の文具店でご当地インクが次々と発売されるなか、レギュラーインク86本を数えて、1本の廃盤インクを出さない「KobeINK物語」は、そんな地元神戸っ子の思いと願いが込められたインクだからでは?思っています。
(これらのエピソードをまとめて本にしたいな)

余談

廃盤インクはありませんと書きましたが、神戸市立博物館の限定色(フェルメールブルー)は当初から会期中のみ販売が可能な条件でしたので廃盤といえません、また店舗オリジナルインクも、閉店した店舗(SOLグリーン)に関してはいたしかたないので、ご了承ください。
もし、そんなインクをお持ちであれば、ぜひ自慢・・・いえ大切に使ってあげてください。


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